■市民館から解放会館へ
1961(昭和36)年11月に大阪市立生江市民館が建設されました。市民館条例「隣保協同の精神に基づき、その施設の利用によって、市民生活の改善及び向上を図ることを目的」に市の職員が配置され、「生花」「民踊」「洋裁」等の講習事業が行われました。
その後、1965(昭和40)年の「同対審答申」や市「同和地区隣保館(市民館)の建設運営に関する答申」をうけ、市民館は地区を対象とする総合社会福祉施設であるとともに住民の自主的な組織活動の拠点でもあることを明らかにし、1966(昭和41)年市民館を民生局から新たな独立部局である同和対策部に移管しました。
1970(昭和45)年「大阪市同和地区解放会館条例」が制定され、生江市民館は「同和問題のすみやかな解決に資することを目的」とする「大阪市立生江同和地区解放会館」となり、名称とともに事業内容も大きく変更されることになりました。
事業の多様化とともに解放会館の果たす役割はますます大きくなり、会館施設の整備、その機能の抜本的な拡充がすすめられ、1975(昭和50)年5月、現在の人権文化センターの前身である生江解放会館が竣工しました。
解放会館は、同和問題の解決に向けた拠点となる画期的な施設として、大阪市同和事業生江地区協議会(現
大阪市生江人権協会)の協力を得て同和対策事業を推進し、部落差別の結果低位な状況におかれていた地区住民の生活全般(基本的人権の擁護、生活環境の改善・整備、福祉の増進、産業の振興、職業の安定による経済生活の安定、教育文化など)の向上に大きく寄与してきました。
また、保健衛生知識の普及、生活文化の向上を目指した講習・講座等の事業、自立意識の向上と社会的立場の自覚を促進するための住民活動の育成・支援、同和問題をはじめとする人権啓発および住民相互の交流活動を推進するとともに地区内施設や関係機関との相互の連携を図るなど、地区における中心的な施設として機能してきました。
■解放会館から人権文化センターへ
2000(平成12)年4月、解放会館条例が人権文化センター条例に改正されました。これにより名称が変更されるとともに目的についても、「基本的人権尊重の精神に基づき、歴史的社会的理由により生活環境等の安定向上を図る必要がある地域の住民の福祉の向上並びに市民に対する人権啓発の推進及び市民交流の促進を図り、もってすべての人の人権が尊重される社会の実現に寄与すること」(人権文化センター条例)となり、地域住民にとどまらず広く市民に開かれた施設として運営されることになりました。
また、2001(平成13)年10月の大阪市同和対策推進協議会意見具申「大阪市における今後の同和行政のあり方について」では、今後の同和問題の解決のための基本目標を「部落差別を解消し、すべての人の人権が尊重される豊かな社会の実現を目指し、同和地区内外の住民が協力して自らのまちづくりを進めていくための協働関係を構築し、一体となったコミュニティの形成を図ること」とし、そのために人権文化センターは、「同和問題をはじめとする人権問題の学習・啓発・交流・情報発信の拠点となる人権啓発センターとしての機能、住民交流の拠点となるコミュニティセンターとしての機能や地域住民の自立支援に向けた総合相談機能をより発揮すべきである」とされ、「啓発」「交流」「相談」は、現在の人権文化センターの事業の柱になっています。
なお、2002年4月から人権文化センターの管理運営は、(社)大阪市人権協会に委託され、民営による特色を生かした事業展開を図っています。
■すべての人の人権が尊重される豊かな社会の実現に向けて
解放会館時代の同和対策事業により同和地区の実態は著しく改善され、かつての生活環境の劣悪さが差別意識を再生産するような状況は基本的に解消されました。しかしながら地域においては、若年層・高所得者層の流出、高齢化の進展、所得階層の分化等の状況が見られるとともに、大学進学率の格差や児童・生徒の低学力、不安定な就労実態等、なお解決すべき課題が残されています。また、2005年の大阪府民の意識調査結果からも明らかなように同和地区に対する忌避意識が増大していること、近年の新たな差別事象としての土地差別、増え続けるインターネットを媒介とした差別事件や電子版「部落地名総鑑」の存在など、市民の人権意識、人権啓発にかかわる課題もますます重要になってきています。
こうした状況の中で人権文化センターが果たすべき役割はますます大きくなってきています。その使命を自覚し、人権文化センターに求められる、また、人権文化センターだからこそできる取り組みを強化し、すべての人の人権が尊重される豊かな社会を実現するための一翼を担っていきたいと考えています。その具体化として生江人権文化センターでは、以下の6点を重点課題として掲げ取り組みを進めています。
@人権侵害への対応・救済、総合相談機能の強化
A人権をテーマとした講座・ワークショップ等、参加型事業の強化
B人権教育・啓発にかかわるプログラム・教材の開発
C周辺地域を主対象とした参加型交流事業
Dボランティアおよびグループ・サークル育成の強化と援助
E関係機関・団体との連携の強化とネットワークの構築
今後とも、市民のみなさまの生江人権文化センターに対するご支援、ご協力と事業へのご参加、そして施設のご利用をお願いいたします。
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